Hitachi
日立システムズ

導入事例 CASE STUDY

旭川信用金庫さま MotionBoardで実現した攻めのDX
年間3000時間の削減と10年間で3000万円のコスト抑制

#MotionBoard #SVF 導入ソリューション #金融・保険

北海道旭川市に本店を置き、110年以上にわたり地域経済の発展に寄与してきた旭川信用金庫さま。「地域のお客さまの幸せを実現し、地元を元気にする」という使命を掲げる同金庫さまは、2024年5月に策定したDX戦略に基づき、デジタル技術を活用した抜本的な業務改革と人財育成を加速させています。

その大きな転換点となったのが、長年利用してきた情報系システム(BIツール)の保守期限切れに伴う基盤刷新でした。旭川信用金庫さまは、この「守りのIT」課題を、現場の働き方を根本から変える「攻めのDX」への好機と捉え、北海道日立システムズをパートナーに選定。「MotionBoard(モーションボード)」と「SVF」を導入し、BIツールの枠を超えた「業務アプリケーション基盤」を構築しました。

最大の特徴は、同金庫さまが2009年から大切にしてきた「自社開発」の文化を最大限に活かし、現場の声を即座に反映させるアジャイル開発を取り入れた点にあります。特に事務負担の重かった相続業務においては、1案件につき平均10枚あった帳票を1画面に集約。相続業務の本部集中化と業務プロセスの見直しにより、年間約3000時間の事務工数削減と、10年間で約3000万円のコスト削減を見込むなど、地域金融機関の理想的なDXモデルを体現されています。

導入前の課題と導入後の効果

導入前の課題
課題1

システム導入・運用コストの増大

専用の相続管理パッケージ導入は高額であり、他の業務への横展開も難しいという懸念があった。

課題2

紙とExcelに依存した非効率な事務

相続業務では1案件で10枚の紙を出力。複数のExcelへの重複入力など、現場の負担が限界に達していた。

課題3

OS更改に伴う既存ツールの利用不能

Windows更改により従来のBIツールが使用不可となり、早急な新基盤の構築が必要だった。

導入後の効果
効果1

10年間で約3000万円のコスト抑制を実現

汎用プラットフォームでの内製開発により、専用パッケージ導入に比べ大幅なコスト削減を達成。他業務への転用も容易に。

効果2

10枚の帳票を1画面に集約、年間3000時間を削減

相続業務の本部集中化と業務プロセスの再設計を前提に、MotionBoardの入力機能を活用した「相続管理システム」を構築し、事務作業を大幅に効率化。全店合計で年間約3000時間の削減が可能に。
※この削減効果は、帳票の集約だけでなく、相続業務の集中化および業務フロー全体の見直しによる総合的な成果です。

効果3

将来性のあるDX基盤へのスムーズな移行

OS更改の課題をクリアしつつ、単なる置き換えに留まらない、将来の拡張性を備えたデータ活用基盤を構築。

導入製品の概要

MotionBoard

「データを見る」から「現場を動かす」へ。BIの常識を覆す業務改革プラットフォーム

旭川信用金庫 システム部 DX担当 調査役 田所 祐都 氏

旭川信用金庫さまが導入した「MotionBoard」は、企業内に散在する多種多様なデータをリアルタイムで集約・可視化し、スピーディな意思決定を支援するBIダッシュボードです。
しかし、旭川信用金庫さまが本製品を高く評価された最大の理由は、単なる「分析ツール」としての側面だけではなく、現場のオペレーションを劇的に変える「入力機能」と、変化に即応できる「アジャイルな開発基盤」としてのポテンシャルにありました。

1.BIの枠を超えた「入力機能」によるExcelからの脱却

従来のBIツールが「蓄積されたデータの可視化」に特化していたのに対し、MotionBoardはダッシュボード上で直接データを書き込み、保存できる高度な入力機能を備えています。
Excel管理や手書き帳票に頼らざるを得なかった複雑な事務フローを、情報の参照から入力、ステータス管理まで、同一基盤上で完結させることが可能に。「情報の二重入力を廃し、現場で発生する生きたデータを即座にシステムへ還元する」――この仕組みこそが、旭川信用金庫さまが長年模索していた「Excel依存からの脱却」と「事務の完全デジタル化」を実現する核心でした。

2.現場の熱意を即座に形にする、高い汎用性と開発スピード

MotionBoardは、プログラミングの専門知識を必要としない直感的な操作性(ノーコード・ローコード設計)が特徴。これは、旭川信用金庫さまが2009年から培ってきた「システムを自ら作る」の文化と親和性が高く、現場から上がった細かな要望を即座にダッシュボード画面へ反映させるアジャイルな開発を可能にします。
今回構築した相続管理システムだけでなく、融資実行管理、リスクマトリクス、収益管理など、金融機関における多様な業務シナリオへ柔軟に横展開できる拡張性が、投資対効果(ROI)を最大化させる大きな要因となっています。

3.金融機関に求められる強固なセキュリティと信頼性

さらに、国内シェアNo.1の帳票基盤「SVF」との密接な連携により、画面上で管理・分析したデータを、金融機関クオリティの高品質な帳票として即座に出力可能です。情報のデジタル一元管理と、対外的に必要な「紙(帳票)」の確実なアウトプットを両立させ、事務の厳格性と効率化という、相反する課題を同時に解消します。

導入の目的

「事務のための時間」を「お客さまのための時間」へ変える。
地域金融機関としての挑戦。

旭川信用金庫 システム部 成瀬 史哉 氏

旭川信用金庫さまは、創立110周年という節目を前にした2024年5月、新たな「DX戦略」を策定されました。この戦略の根底にあるのは、単なるデジタル化ではなく「人財育成」と「お客さまとの対話時間の最大化」です。
人口減少やデジタルシフトが進む中、地域金融機関として生き残るためには、職員が煩雑な事務作業から解放され、より深くお客さまの課題解決に寄り添える体制を構築することが不可欠でした。

その第一歩として白羽の矢が立ったのが、全業務のなかでも特に専門性が高く、事務負担が重いとされていた「相続業務」の本部集中化です。

1.現場を疲弊させていた「10枚の紙」と「情報の分断」

当時、相続事務の現場では、情報のデジタル化が進んでいる一方で、実務のフローには依然としてアナログな手法が色濃く残っていました。
「かつては、一つの相続案件を処理するために、勘定系システムから平均10枚もの照会票を印刷し、それを見ながら複数のExcelファイルへ手入力で転記していく……という作業が当たり前のように行われていました」と、システム部 調査役の田所氏は振り返ります。

田所氏が「Ancient style(古き習慣)」と表現した非効率な体制は、二重入力によるミスのリスクを孕むだけでなく、営業店と本部の間でのリアルタイムな情報共有を妨げる要因にもなっていました。

2.「専用パッケージ」か「内製開発」か。DXの分岐点

相続業務の集中化を進めるにあたり、当初は特定の業務に特化した「専用パッケージシステム」の導入も検討されました。しかし、専用パッケージは導入コストが極めて高額になる傾向があり、かつ、その業務にしか適用できないという汎用性の低さが懸念点となっていました。

「自分たちの手でシステムを作り、現場に合わせて育てる」という文化という強みを活かしつつ、コストを抑え、かつ他の業務にも横展開できる柔軟な基盤をどう構築するか。
この難しい問いへの答えが、本プロジェクトの目的となりました。

3.北海道日立システムズが提示した「BIの再定義」

この切実な課題に対し、北海道日立システムズは、単なるデータの可視化(BI)としての利用に留まらない、MotionBoardを中核に据えた「業務アプリ基盤」の構築を提案しました。

BIツールでありながらデータの「入力」と「管理」を自由に行えるMotionBoardの特性を活かせば、高額な専用パッケージを購入せずとも、旭川信用金庫さま独自の理想的な相続管理システムを自分たちの手で構築できる。
この提案は、同金庫さまがめざす「事務の完全デジタル化」と「継続的な業務改善」という2つのビジョンに合致しました。

こうして、情報の参照と入力が同一基盤上で完結し、営業店とお客さまがより密接に繋がるための、次世代業務環境の構築がスタートしたのです。

選定のポイント

「入力機能」が内製化文化に火をつけた。
北海道日立システムズの提案が「決め手」に。

旭川信用金庫 事務部 (相続センター) 調査役 櫻田 加奈子 氏

既存ツールの保守期限という制約がある中で、旭川信用金庫さまが新たな基盤として「MotionBoard」と「SVF」を選択し、パートナーとして北海道日立システムズを選んだ背景には、単なる製品スペック以上の戦略的な判断がありました。

重点を置かれたポイントは、主に以下の3点です。

1.BIの常識を覆した「入力・ワークフロー機能」の衝撃

選定の最大の決め手となったのは、MotionBoardが備える「データの入力・更新機能」。
一般的なBIツールが、過去のデータを集計してグラフ化する「情報の可視化」に特化しているのに対し、MotionBoardはダッシュボード上で直接情報を打ち込み、それをデータベースへ即座に反映させられます。

「BIは『見るもの』という固定観念がありましたが、MotionBoardなら『入力』ができる。これによって散在していたExcel管理や、紙の回覧が必要だったワークフローを一つの基盤に統合できると直感しました」と、システム部 調査役の田所氏。
特定の業務に縛られる専用パッケージではなく、あらゆる事務をデジタル化できる「プラットフォーム」としての圧倒的な汎用性が、高く評価されました。

2.15年来の「自社開発文化」を支える、アジャイル開発への適応力

旭川信用金庫さまは、地域金融機関としては稀有で力強い自社開発文化が根付いています。現場の細かなニーズを拾い上げ、使い勝手を極限まで追求するためには、ブラックボックス化した既製品ではなく、自分たちで中身を触り、改善し続けられる柔軟なツールが必要でした。

その点、MotionBoardはノーコード・ローコードでの画面構築が可能であり、思考のスピードを止めずに開発を進めることができます。
「ベンダーに依頼して数ヶ月待つのではなく、自分たちですぐに直せる。このスピード感こそが、現場の要望を逃さず、実効性の高いDXを実現するための必須条件でした」と振り返ります。
「金庫の文化」と「製品特性」の完璧な合致が、選定を後押ししました。

3.地域に根ざし、金融実務に精通した北海道日立システムズへの信頼

パートナー選定において、北海道日立システムズが選ばれた理由は、その「距離の近さ」と「金融機関の厳格な業務に対する理解度」にありました。

「地元の企業同士という安心感に加え、私たちの企業文化に対するこだわりを深く理解し、伴走してくれる姿勢に信頼を置きました。物理的な距離の近さは、トラブル時の迅速な対応だけでなく、密なコミュニケーションを通じた『想いの共有』においても大きなアドバンテージとなりました」(田所氏)。地域経済を共に支えるパートナーとしての共鳴が、プロジェクト成功の礎となったのです。

4.専用パッケージを遥かに凌駕する「中長期的な投資対効果」

相続業務の集中化にあたっては、高額な専用パッケージの導入も比較検討されましたが、MotionBoardによる内製開発は、コスト面でも圧倒的な優位性を示しました。
初期導入費用の抑制はもちろん、一つのライセンスで相続、融資、収益管理など、金庫内のあらゆる業務へ横展開できるため、10年間という長期スパンで試算した際、約3000万円ものコスト抑制が見込めることが明らかになりました。「一つの投資で、金庫全体のDX基盤を手に入れる」という、北海道日立システムズの戦略的な提案が、経営層の決断を決定づけたのです。

現場の声

「不便が当たり前」だった現場に起きた劇的変化。
事務削減の枠を超えた「意識の変革」

旭川信用金庫 事務部(相続センター) 調査役 佐野 千尋 氏

2025年7月からの本格稼働をめざし、相続業務の本部集中化プロジェクトが進む中、先行して導入されたMotionBoardとSVFは、現場の景色を劇的に変え始めました。
効果は、定量的な事務削減時間のみならず、職員さまの心理的負担の軽減や、組織文化の進化という多方面に及んでいます。

1.年間約3000時間の削減と、10年間で約3000万円のコスト抑制を両立

全40店舗におよぶ相続事務を本部の相続センターへ集約したことで、営業店全体の事務負担を年間約3000時間削減できる見込みが立ちました。
また、専用パッケージの導入を見送り、MotionBoardを基盤とした内製開発を選択したことで、システム導入コストを大幅に抑制。今後10年間のランニングコストを含めた試算では、専用システム導入比で約3000万円のコスト抑制効果を見込んでいます。この高い投資対効果(ROI)は、地域金融機関におけるシステム投資の理想的なあり方として、経営層からも高く評価されています。

2.「10枚の紙」から「1枚のボード」へ。事務のストレスを解消

相続センターの現場で最も高く評価されているのが、情報の視認性と管理のしやすさです。
「以前は、一つの案件を処理するために何枚もの照会票を印刷し、机に広げて突き合わせるのが日常でした。それが今では、MotionBoardの専用ボードを開くだけで、必要な情報がすべて一枚の画面に集約されています」と、事務部(相続センター) 調査役の佐野氏は実感を込めて語ります。

複数のExcelファイルを「あっちへ行ったり、こっちへ行ったり」しながら入力していた煩雑な作業が消失。進捗状況がリアルタイムで可視化されたことで、営業店からの問い合わせへの回答スピードも劇的に向上しました。

3.「紛失リスク」の消失と、心理的な安全性の確保

物理的な「紙」を削減したことは、リスク管理の面でも大きな成果を挙げています。
「支店とのやりとりがPDFやシステム上で完結するようになり、重要書類を紛失するリスクが極限まで低減されました。これは、事務を担当する職員にとって、精神的な負担を減らす大きな支えになっています」と、同じく事務部(相続センター) 調査役の櫻田氏は語ります。ミスが許されない金融実務において、システムがヒューマンエラーを未然に防ぐ構造になったことは、現場の「安心感」に直結しています。

4.「もう戻れない」という言葉が象徴する、DXマインドの浸透

最も特筆すべき変化は、職員さまの意識そのものにあります。
「これまでは不便な環境が『当たり前』だと思っていましたが、便利な仕組みを知った今、もう以前のやり方には戻りたくないというのが本音です(笑)」という佐野氏の言葉通り、現場からは「この業務もMotionBoardで改善できないか」「こんなレポートが見たい」という自発的なアイデアが次々と寄せられるようになっています。

北海道日立システムズが支援した「自分で作り、自分で直せる」という内製化基盤は、旭川信用金庫さまの中に「デジタルを使って自らの手で業務を良くしていく」という、真の意味でのDXマインドを根付かせたのです。

今後の展望

「不便が当たり前」だった現場に起きた劇的変化。
事務削減の枠を超えた「意識の変革」

旭川信用金庫さまの視線は、効率化の先にある「北海道全体の活性化」に向けられています。今回のMotionBoard導入と内製化の成功を、ただ成果だけに留めるのではなく、地域社会全体へ還元していくことをめざしています。

1.MotionBoard活用を推進し、地域経済を元気に

2024年に北海道の金融機関として初めて「DX認定」を取得した旭川信用金庫さまは、地域のDXを牽引するトップランナーとしての責任を強く認識されています。
「当金庫がMotionBoardを活用して事務の在り方を劇的に変えたこの事例を、一つの成功モデルとして北海道全域に広めてほしい」――。北海道日立システムズに対し、道内の他企業や自治体へもこの仕組みを積極的に展開し、北海道全体のデジタル化を加速させてほしいという力強い期待が寄せられました。

2.データの力で「地域のお客さま」をより深く支える

今後は、相続業務や融資業務での活用で得られた知見を活かし、蓄積されたデータのさらなる高度利活用をめざします。現場の事務時間を削減して創出した「時間」を、より付加価値の高い「お客さまへの相談・支援業務」へとシフト。
データの力で地域のお客さまの経営課題やニーズをより深く、スピーディに把握し、解決へと導く――。旭川信用金庫さまと北海道日立システムズは、これからも手を取り合い、デジタルと情熱の力で北海道の未来を切り拓いていきます。

COMMENT

北海道日立システムズは、私たちの“内製化へのこだわり”を
支えてくれる真のパートナーです

旭川信用金庫 システム部 DX担当 調査役 田所 祐都 氏

「当金庫の使命は『お客さまの幸せを実現し、地元を元気にする』ことです。日立システムズには、私たちのビジョンを汲み取った的確な提案をいただきました。今回の基盤構築により、職員がより深くお客さまと向き合える環境が整ったと確信しています。」

旭川信用金庫 システム部 成瀬 史哉 氏

「アジャイル開発で、現場の要望を即座に形にできるのがMotionBoardの強みです。日立システムズには、技術的なサポートだけでなく、地元の企業同士としての距離の近さを活かしたスピーディーな対応をいただき、非常に心強かったです。」

旭川信用金庫 事務部(相続センター) 調査役 櫻田 加奈子 氏 / 佐野 千尋 氏

かつては10枚の紙と格闘していましたが、今ではMotionBoardの画面1枚で全てが完結します。相続業務をこの基盤に集約したことで、全店とのリアルタイムな連携が可能になり、お客さまをお待たせする時間も大幅に短縮されました。正直、もう以前の不便な環境には戻りたくないですね(笑)。この『事務革命』の恩恵を、日々肌で感じています。

旭川信用金庫
システム部 DX担当
調査役

田所 祐都 氏

旭川信用金庫
システム部

成瀬 史哉 氏

旭川信用金庫
事務部 (相続センター)
調査役

櫻田 加奈子 氏

旭川信用金庫
事務部(相続センター)
調査役

佐野 千尋 氏

CORPORATE PROFILE

社名 旭川信用金庫
創立 1914年(大正3年)4月
所在地 北海道旭川市4条通8丁目
URL https://www.shinkin.co.jp/ask/
PR 2024年9月に北海道の金融機関として初めて経済産業省の「DX認定」を取得。地域経済の発展と課題解決型営業の追求を掲げ、110年の歴史を次世代へ繋ぐ挑戦を続けています。

担当より一言

お客様の熱意を形にする「伴走型DX」をこれからも。

旭川信用金庫さまが持つ「自分たちの手で業務を良くしていこう」という強い熱意に触れ、私たちも大きな刺激を受けました。今回のプロジェクトは、北海道内の信用金庫様において初めての導入であり、攻めのDXに向けた第一歩となる素晴らしい事例です。今後も、地域に根ざしたパートナーとして、旭川信用金庫さまのさらなる価値創造を全力でサポートしてまいります。

株式会社北海道日立システムズ
営業統括本部
デジタルサービス営業本部
営業第2部 営業第1グループ

浜橋 未里

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